頭痛外来とは
頭痛外来は、主に慢性的な頭痛に悩まされている方を対象としています。頭痛は大きく分けて一次性頭痛と二次性頭痛の2種類があります。一次性頭痛は頭痛そのものが疾患であるのに対して、二次性頭痛は何らかの病気(脳疾患など)が原因となって頭痛が引き起こされるものです。特に注意が必要なのは二次性頭痛で、脳腫瘍や脳出血といった命に関わる病気が原因となって頭痛が起きていることがあります。
頭痛を訴えて来院される患者様の多くは、器質的な原因が見られない一次性頭痛です。しかし、もしもの可能性を考慮し、気になる頭痛がある場合はお気軽にご受診ください。当院では、問診や視診に加え、必要と判断された場合にはMRI画像検査も行い、詳細な診断をつけていきます。
一次性頭痛
一次性頭痛は、長期間にわたって慢性的な頭痛に悩まされる状態であり、重篤な状態をもたらすことはありませんが、QOL(Quality of Life:生活の質)が著しく低下することがあります。気になる方はぜひご受診ください。
一次性頭痛は、痛みの性質に基づいて主に以下の3つ(片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛)に分類されています。
片頭痛
セロトニンの過剰放出など何らかの理由で脳の血管が拡張、それによって頭痛などの症状が伴うのが片頭痛です。引き起こす要因としては、精神的ストレス、喫煙・飲酒、チラミンを含む食品(ワイン、チーズ、レバー、チョコレート など)の摂取、女性ホルモンのバランスの変化などが考えられています。
主な症状ですが、ズキズキと感じる脈を打つような痛みが、こめかみから目にかけて頭の片側あるいは両側に現れます。30代女性によく見受けられます。最近片頭痛の治療、予防は新薬により格段に進歩しています。
緊張型頭痛
頭の周囲が締め付けられるような痛みが数時間から数日続くとされ、肩や首などのこり、めまいなどが伴うこともあります。
これは、身体的・精神的ストレスや長時間同じ姿勢を続けることによる血行障害などが原因と言われ、それによって頭や首といった筋肉が緊張、収縮することで頭痛が発症すると考えられています。当院では肩こりに対する神経ブロックも併せて行うことができます。
群発頭痛
群発頭痛は、年に1,2度ほどの割合で起きるとされるものですが、頭痛の症状が1度現れると数日から数週間は続き、その頻度は1日1回程度で15分~3時間程度と考えられています。
頭部の血管拡張が原因と考えられ、目の奥で激しい痛みが生じます。リスク要因としては、飲酒、喫煙、血管拡張薬の使用などが挙げられ、20〜40代の男性によくみられます。
さらに、片頭痛や緊張型頭痛に関連して、症状を抑えるために内服薬(トリプタン製剤、NSAIDsなど)を過剰に使用することで、痛みの感受性が高まり、頭痛が悪化する薬物乱用頭痛というタイプも存在します。この場合、二次性頭痛に分類されます。
二次性頭痛
二次性頭痛は、脳腫瘍やくも膜下出血など、器質的な原因によって引き起こされる頭痛を指します。具体的には、脳血管障害(くも膜下出血)、非血管性頭蓋内疾患(脳腫瘍)だけでなく、頭頚部の外傷、髄膜炎などの感染症、精神系の疾患や高血圧によるものも含まれます。
二次性頭痛は生命に影響する可能性がありますので、以下のような症状がある方は、救急外来を受診してください。
- 頭痛が突然現れた
- これまで経験したことのない頭痛に襲われている
- 頭痛の様子がいつもと異なる気がする
- 頭痛の頻度と程度が増している
- 50歳を過ぎてから現れた初発の頭痛である
- 神経の脱落症状がみられる頭痛
- がんや免疫不全の病気に罹患している患者様の頭痛
- 精神症状がある患者様の頭痛
- 発熱・項部硬直・髄膜刺激症状がみられる頭痛 など